
iPhoneで撮った動画、再生すると「うわ、綺麗…」ってなるのに、いざMP4に変換したら──
白飛びしてる/眠い色になる/なんか暗い。
これ、かなりの確率で「HDRが潰れてる」やつです。
でも安心して。やることはシンプル。
“H.264で出さない”、そして “Rec.2100(HLG/PQ)と10-bitを守る”。
これだけで、iPhoneのHDRをHDRのままMP4化できます。
目次
まず結論:HDRのままMP4化する鉄則は3つ
iPhoneのHDRを維持したいなら、ここを外すとだいたい事故ります。
- H.264(AVC)ではなく、H.265(HEVC)で出す
- 10-bit(Main10)で出す
- 色空間をRec.709に落とさず、Rec.2100(HLG or PQ)を維持する

H.264(AVC)ではなく、H.265(HEVC)で出す

10-bit(Main10)で出す

色空間をRec.709に落とさず、Rec.2100(HLG or PQ)を維持する
この3点さえ守れば「HDRとして成立するMP4」になります。
なぜ“普通に変換”するとHDR動画が白飛びするのか
HDRって、ざっくり言うと「明るさの情報量が多い映像」です。
ところが変換時に
- 出力が Rec.709(SDR) になってしまう
- ビット深度が 8-bit になってしまう
- コーデックが H.264 になってしまう
みたいなことが起きると、HDRの前提が崩れて、
ハイライトが白飛びしたり、全体がくすむ、暗く沈むみたいな見た目になります。
要は、変換の設定が“SDR用”に寄ってるだけ。
いちばん確実:Premiere経由 → Media Encoderで書き出す(おすすめ)
Media Encoder単体でもできますが、Premiereを一回噛ませた方が迷子になりにくいです。
特に「色空間が勝手にRec.709になっていた」事故が減ります。
手順(ざっくりでOK)
- iPhone素材(.mov)をPremiereに読み込む
- タイムラインに置いてシーケンスを作る
- 書き出し(またはMedia Encoderへキュー)
書き出し設定の要点
- 形式:H.265(HEVC)
- コンテナ:MP4
- プロファイル:Main10(10-bit)
- 色空間:Rec.2100 HLG(iPhoneの“元の雰囲気”に近い) または Rec.2100 PQ(HDR10寄りにしたい場合)
ここで「Rec.709」になってたら、HDRじゃなくなります。
変換後に眠い色になったら、まずここを疑う。
最短ルート:Media Encoder単体で変換する場合
「Premiere開くの面倒。変換だけしたい。」
それも全然OKです。
手順
- Media EncoderにiPhone動画を入れる
- フォーマットをHEVC(H.265) にする(MP4)
- プリセット編集で以下を確認
手順
- Media EncoderにiPhone動画を入れる
- フォーマットをHEVC(H.265) にする(MP4)
- プリセット編集で以下を確認
絶対に確認する項目(チェックリスト)
- Main10(10-bit)になっているか
- Rec.2100(HLG/PQ)になっているか
- “HDR→SDR変換”みたいな項目がONになっていないか
- 出力先が MP4 になっているか
Media Encoderはプリセットによって項目の出方が変わるので、
“10-bit”と“Rec.2100”を探すゲームになります。見つけてください。ここが勝負。
注意:iPhoneのHDRは“Dolby Vision”が多い(ここ、誤解しがち)
ここが少しだけややこしいポイント。
iPhoneのHDR動画は多くが Dolby Vision(動的メタデータ付き)です。
AdobeでH.265/MP4にすると、
- HDRとして綺麗なMP4 にはできる
- ただし Dolby Visionの“動的メタデータまで完全に保持” したい場合は、 標準機能だけだと要件を満たせないことがある
つまり、あなたが求めている「HDRのまま綺麗に出したい」なら大体OK。
でも「Dolby Visionとして配信・納品したい」みたいな要件があるなら、別の手段(専用プラグインや別ツール)を検討することになります。
よくある失敗と、直し方
失敗1:変換後に白飛びする
→ だいたい Rec.709に落ちてる か、HDR→SDR変換が走ってる。
Rec.2100(HLG/PQ) を見直す。
失敗2:色が眠い/薄い
→ 8-bit出力の可能性。
Main10(10-bit) を確認。
失敗3:そもそもHDRとして認識されない
→ H.264で出してる。
HDRをやるなら HEVC(H.265) が基本。
最後に:迷ったら「HLG」で出せ(実務的な落とし所)
用途が未確定で「とりあえずHDRで崩さず持っておきたい」なら、
まずは Rec.2100 HLG + HEVC Main10 + MP4 が扱いやすいです。
PQ(HDR10寄り)は運用が綺麗にハマると強いけど、
チェック項目も増えるので、変換初心者にはHLGの方が事故りにくい。